分からないことがあるのに、教えてもらえない。聞こうとしても、みんな忙しそうで声をかけられない。勇気を出して聞いたら、面倒くさそうな顔をされた。
そして、教わっていないことでミスをして、自分が責められる。
そんな職場で、消耗していませんか。私にも、覚えがあります。この記事では、「教えてもらえない」つらさについて、正直に書きます。
「教えてもらえない」には、いろんな形があります
ひとくちに言っても、実際はこんな状態です。
そもそも、教える人が決まっていない。 誰に聞けばいいのか分からない。担当がいない。
聞くと、突き放される。 「見て覚えて」「前に言ったよね」「いいから、そうして」。理由を説明してもらえない。
忙しそうで、聞ける空気がない。 みんなピリピリしていて、話しかけるタイミングがない。
マニュアルが古い、実際と違う。 書いてある通りにやったのに、「それは今は違う」と言われる。資料にないことが現場では起きている。
どれか、思い当たりませんか。
それは、あなたの理解力の問題ではありません
まず、これを伝えたいです。
教える体制がないのは、職場側の問題です。
新しく入った人が仕事を覚えられないのは、本来「教える側」の責任です。手順が整理されていない、担当が決まっていない、資料が更新されていない、全部、あなたが作った状況ではありません。
そして「見て覚えて」は、教育方針のように語られますが、多くの場合は教える手間を省いているだけです。
だから、「私の飲み込みが悪いのかな」と思わないでください。分からないのは、教わっていないからです。 説明もなく押さえつけられるつらさについては、別の記事にも書きました。
それでも、今日を乗り切るための工夫
とはいえ、明日も出勤しなければいけません。私がやってみて効いたことを、いくつか。
① 聞くタイミングを、こちらから選ぶ
相手が忙しい時に聞くと、雑に返されます。手が空いた瞬間、朝一番、休憩明け、タイミングを見て声をかけるだけで、返ってくる態度がずいぶん変わります。
② 「1分だけいいですか」と、時間を区切る
これは効きます。相手は「長くなる」と思うから、面倒くさそうな顔をするんです。「1分だけ」「ひとつだけ」と最初に言うと、応じてもらいやすくなります。
③ 一度に、ひとつだけ聞く
まとめて聞きたくなりますが、逆効果です。質問が多いと「また?」と思われます。 ひとつ聞いて、それを自分で消化してから、次を聞く。
④ 自分用のメモを作る
いちばん大事かもしれません。教わったことは、その場で必ずメモする。
理由は2つあります。ひとつは、二度聞かなくて済むこと。もうひとつは「前に言ったよね」の備えです。
メモがあれば、自分で確認できます。そして「教わっていない」と思い込んでいたことが、実は聞いていた、と気づくこともある。記録は、あなた自身を守ります。
職場によっては、個人のメモが使えないところもあります。その場合は、許可された範囲で自分用の手順書を作ってみてください。
⑤ 聞く相手を、分散する
一人に集中して聞くと、その人の負担になり、態度が硬くなります。この件はAさん、この件はBさん、と分けておくと、聞きやすさが変わります。
教わっていないのに、責められた時は
これが、いちばんつらいところだと思います。
日々変わる周知事項も資料も、チェックしている。でも、教わっていないことでミスをしても、ちゃんと自分が悪いことになる。
そんな時、心の中でだけでいいので、こう切り分けてください。「このミスは、私の不注意ではなく、情報が届いていなかったから」
謝るべき場面では謝っていい。でも、自分の能力の問題だと思い込まないでください。 ミスを引きずってしまう時のことは、こちらの記事に書きました。
ちゃんと教えてくれる職場も、あります
そして、これは知っておいてほしいことです。
「教えてもらえないのが普通」ではありません。
世の中には、研修がしっかりあって、質問しやすい空気があって、分からないことを聞いても嫌な顔をされない職場が、ちゃんとあります。それが本来の会社の利益につながるからです。
そういう場所を知らないだけで、「自分が悪い」と思い込んでしまうのは、もったいないです。
もし、聞くこと自体が怖くなってきているなら、それは環境があなたに合っていないのかもしれません。人に頼るのが苦手になってしまう時のことも、別の記事に書いています。
変わらないなら、環境を変えるという選択も
工夫をしても、聞ける空気にならない。何ヶ月経っても、放置されたまま。そんな状態が続くなら、それは「新人が育たない職場」だということです。
人を育てない職場は、たいてい人が定着しません。もし、あなたが今つらいのは、その構造の中にいるからかもしれない。
無理に耐えて、自信を失っていく必要はありません。環境を変えるという選択肢についても、正直に書いた記事があります。急がなくていいので、「道はある」とだけ覚えておいてください。
最後に
分からないことを聞ける環境は、働くうえでとても大事なものです。もちろん、職場にも事情はあると思います。人手が足りない、教える余裕がない、そういう現実があるのも、分かります。
でも、それはあなたが背負うことではありません。あなたの理解力ではなく、教える体制の問題。そこだけは、間違えないでください。
人にも、自分にも、ちょうどいい距離で。あなたが安心できる場所に、たどり着けますように。

