クレームの電話を取るたびに、心がすり減っていく。理不尽に怒鳴られ、自分のミスでもないのに責められ、電話を切ったあとも、その声が耳に残って離れない。次の一本を取るのが、怖い。
そんなふうに、クレーム対応で限界を感じていませんか。私も、コールセンターでクレーム対応をしてきました。だから、そのつらさが、痛いほど分かります。この記事では、心をすり減らさないために私が身につけた考え方を、正直にお話しします。
お客様も、必死なんです。でも…
先に、大事なことを書いておきます。クレームを言ってくるお客様も、多くは「必死」です。
思い通りにいかない不安や、困っている気持ちを、感情ごとぶつけてくる。話を聞けば、「その気持ちは分かる」と思うことも、正直あります。私たちも、一度しっかり受け止めて、できること・できないことをお伝えしようとします。
でも、こちらではどうにもできない会社の方針もあるし、いくら誠実に対応しても、納得いただけずに、感情が入って堂々巡りになることも多い。「悪い人」ばかりじゃない。それでも、理不尽なものは、やっぱり理不尽なんです。その両方が、本当のところです。
クレーム対応が、こんなにつらい理由
改めて言葉にすると、クレーム対応のつらさには、こんなものがあります。
- 理不尽に怒鳴られ、人格まで否定されることがある
- 自分のミスじゃないのに、矢面に立って責められる
- 何を求めているのか分からず、解決のしようがない
- 電話を切っても引きずって、次の着信が怖くなる
これだけのものを、毎日受け止めているんです。疲れて当たり前。あなたのメンタルが弱いわけでは、決してありません。
心をすり減らさない、4つの考え方
① その怒りは、「あなた個人」に向いていない
いちばん大事なことです。お客様の怒りは、電話に出た「あなた個人」に向いているわけではありません。会社に、システムに、うまくいかない状況に、その矛先が、たまたま電話口のあなたに向かっているだけです。
「私が責められている」ではなく、「役割として、怒りを受けている」。そう切り分けるだけで、心へのダメージはずいぶん軽くなります。あなたの人格が否定されたわけじゃない。そこは、はっきり線を引いていいんです。
② 全部を、真に受けない
繊細で真面目な人ほど、言われたことを一言一句、心に刻んでしまいます。でも、クレーム対応では、それだと持ちません。
聞くべきことは聞く。でも、感情的な言葉や理不尽な部分は、そっと受け流す。「これは受け取らなくていい言葉」と、心の中で仕分ける練習を。全部を抱え込まないことは、逃げではなく、長く働くための大事な技術です。
③ 一人で抱えず、相談・共有する
どうにもならない時は、SVや上司に代わってもらうのも、立派な選択です。人が代わると、お客様が少し落ち着くこともあります。
ただ、代わってもらったあとに、「自分の対応が悪かったのかな」と、モヤモヤが残ることもありますよね。その気持ち、すごく分かります。でも、うまくいかない対応が全部あなたのせい、なんてことはありません。つらかった電話は、一人で抱えず、同僚と「今の、大変だったね」と共有するだけでも、心が軽くなります。電話そのものへの怖さについては、別の記事にも書いています。
④ どうしても限界なら、その環境を離れていい
工夫をしても、心が削られ続ける。朝、仕事に行くのが怖い。そんな状態が続くなら、無理に続ける必要はありません。
世の中には、クレーム対応のない仕事も、電話をほとんど使わない仕事も、たくさんあります。「クレーム対応が無理な自分はダメ」ではなく、「この環境が、合わなかっただけ」。私自身、つらい現場を離れる決断をしたことがあります。コールセンターを辞めたいと思った時のことも、転職という選択肢についても、正直に書いています。逃げ道を知っておくだけで、明日の一本が、少し軽くなります。
最後に
クレーム対応は、心をたくさん使う、本当に大変な仕事です。それを毎日こなしているあなたは、もう十分すぎるほど、頑張っています。
理不尽な言葉は、受け取らなくていい。あなたの心は、誰かの感情のはけ口にするには、大切すぎるものだから。
人にも、自分にも、ちょうどいい距離で。電話の向こうの声とも、ちょうどいい距離を。


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