派遣から抜け出して、正社員になりたい。安定した収入がほしい。そう思っているのに、なかなか動けない。
「私が、そうでした」なんて簡単に言いたくないくらい、この道は現実的にしんどいんです。今までも経験しています、直近でも派遣の面接等も並行して、正社員の面接も複数社、受けていました。この記事では、きれいごとを抜きにして、私が動けなかった理由と、これから動く人に伝えたい準備の話をします。
選考の「待ち時間」が、想像以上に長い
まず、意外と誰も教えてくれないことから。
正社員の選考は、応募して、書類が通って、面接して、その一つひとつの間に、待ち時間があります。そして、この待ち時間が本当に長い。
「今週中にご連絡します」が来ないまま数日過ぎることは常に。「いつまでに連絡がなければ、ご縁がなかったと思ってください」と言われて、その期限がまた長い。不採用の連絡すら来ず、察してください、という会社も少なくありません。今はそんな感じが主流です。「サイレントお祈り」と呼ばれたりします。もちろん全ての会社がそうだとは思っていませんが、、やはり多いです。
その間、心はずっと宙ぶらりんです。次々に応募していいのか、待つべきなのか。決まらないまま時間だけが過ぎて、気持ちがすり減っていく。
正社員への転職が「数ヶ月かかる」と言われるのは、この待ち時間があるからです。そして、この時間こそが、次の問題を生みます。
「派遣ループ」から抜け出せなくなる仕組み
ここが、いちばん伝えたいところです。
正社員を目指して、いったん派遣を離れる。でも選考は長引く。そのうち貯金が減っていく。私も、資金が足りなくて本当に困った経験があります。
そうなると、生活のために近所でアルバイトを探します。でも、見つかるのは短期や単発の募集ばかり。毎日仕事があるわけではない。かといってシフトの入る仕事を選べば、時間は拘束されるのに、稼ぎは生活費に届かない。でもシフトを守る責任もある。
そして結局、「ギリギリでも生活ができる、まとまって稼げる派遣」に戻ることになる。気づけば、また同じ環境にいる。
これが「派遣ループ」です。
私は長いあいだ、これを「動けなかった自分が甘かったから」だと思っていました。でも、今は違うと思っています。これは、あなたの甘さではなく、仕組みの問題です。 選考に数ヶ月かかる一方で、生活費は毎月出ていく。その間を埋める働き方が、実は少ない。誰がやっても、同じところで詰まるようにできているんです。
だから、この仕組みを知ったうえで、対策を立てましょう。
ループを避けるための、4つの準備
① 「辞めてから」ではなく、「働きながら」動く
いちばん現実的な対策です。収入が途切れなければ、待ち時間は怖くありません。落ちても、次に進めばいい。焦って「もうどこでもいい」と決めてしまうこともなくなります。
派遣は契約に区切りがあるぶん、次の更新日から逆算して動けるのが強みです。「次の更新までに何社受ける」と決めて、在職中に進めてみてください。派遣で働くことのしんどさと、その付き合い方については、別の記事にも書いています。
② お金の見通しを、先に立てる
どうしても一度離れる必要があるなら、生活費の何ヶ月分あるかを、先に確認してください。加えて、辞めたあとも健康保険料や住民税は払い続けることになります。住民税は前の年の収入をもとに決まるので、収入が減ったあとに請求が来ます。
「思ったよりお金が減るのが早い」これが、ループの入口です。辞める前にやることは、こちらの記事にまとめています。
③ 早めに動く
年齢やタイミングによって、選べる求人は変わっていきます。「もう少し様子を見てから」と思っているうちに、選択肢が減っていくこともある。
すぐ辞める必要はありません。でも、情報を集めて、応募だけでも始めるのは、早いほうがいいです。動き出しが早ければ、それだけ「働きながら決める」余裕が持てます。
④ 「紹介予定派遣」という道もある、ただし注意点も
派遣から直接雇用を目指す仕組みとして、紹介予定派遣があります。一定期間、派遣として働いたあと、お互いが合意すれば、その会社に直接雇用される働き方です。職場の雰囲気を知ってから決められるので、「入ってみたら思っていたのと違った」を避けやすいのが利点です。
ただ、正直に書いておきたいことが2つあります。
ひとつめ。「直接雇用=正社員」とは限りません。
私も紹介予定派遣を何度か経験しましたが、切り替わった先の雇用形態は、直接雇用のフルタイムのアルバイトであることがほとんどでした。契約社員も同じです。「紹介予定派遣なら正社員になれる」と思い込んで進むと、あとで「話が違う」となりかねません。
ふたつめ。待遇が上がるとは限りません。
直接雇用に切り替わる時、派遣先の会社から派遣会社へ、紹介手数料が支払われる仕組みになっています。決して小さな金額ではありません。そのためか、私の経験では、直接雇用になっても時給が変わらないことがほとんどでした。「直接雇用になれば条件が良くなるはず」と期待していると、拍子抜けするかもしれません。
だから、話を進める前に、「切り替わったあとの雇用形態」と「その後の条件(給与・賞与・昇給の有無)」を、必ず確認してください。 派遣会社の担当さんに、はっきり聞いていいことです。それだけで、遠回りをひとつ減らせます。
一人で抱えず、プロを使っていい
正社員を目指すなら、転職エージェントを頼るのも手です。求人を探してくれるだけでなく、書類の書き方や、面接のスケジュール調整もしてくれます。
私が「待ち時間がつらい」と書いたのは、一人で待っていたからでもあります。間に入ってくれる人がいれば、状況を確認してもらえるし、次の応募も並行して進められる。相談は無料のところがほとんどなので、「話を聞くだけ」でも十分です。転職という選択肢について正直に書いた記事も、よければどうぞ。
それでも、正社員だけが正解じゃない
最後に、これも正直に書いておきます。
私は今、正社員以外の形で働いています。正社員が絶対に良い、とは思っていません。安定はほしい。昇給もほしい。でも、働く時間や心の余裕を優先したい時期だってある。
大事なのは「正社員かどうか」ではなく、あなたが安心して暮らせているかどうかです。あなたが決めていいことです。
最後に
派遣から抜け出せないのは、仕組みがそうなっているだけ。
だからこそ、仕組みを知って、準備をして、働きながら動く。それだけで、同じ場所をぐるぐるすることは、ずいぶん減ります。
人にも、自分にも、ちょうどいい距離で。あなたが、安心して働ける場所にたどり着けますように。


コメント