一日中、口角を上げている。声のトーンを明るく保っている。
家に帰って鏡を見たら、顔がぐったりしていた。そんな日、ありませんか。
体を動かしたわけでもないのに、なぜこんなに疲れるのか。この記事では、その理由について書きます。
笑顔を作るのも、仕事のうちです
まず、知っておいてほしいことがあります。
感じていない感情を、仕事のために作って出すこと。 これは「感情労働」と呼ばれていて、れっきとした労働です。
接客、電話対応、受付、販売。内心どう思っていても、明るく振る舞うことが求められる仕事は、体力とは別の何かを削ります。
だから、疲れて当然なんです。あなたが弱いのではなく、消耗する種類の仕事をしているだけです。
いちばん疲れるのは、ずれている時
同じ笑顔でも、疲れ方には差があります。
本当に楽しい時の笑顔は、疲れません。 疲れるのは、心の中と表情がずれている時です。
- 理不尽なことを言われながら、丁寧に応対する
- 落ち込んでいるのに、明るい声を出す
- 興味のない話に、笑って相づちを打つ
このズレを保ち続けることが、いちばんエネルギーを使います。
声だけの仕事でも、同じです
意外に思われるかもしれませんが、電話の仕事も同じくらい消耗します。
姿は見えないのに、口角を上げて話す。相手が怒っていても、トーンを落とさない。表情が見えないぶん、声で全部を作ることになるからです。
コールセンターのような仕事で、終業後にぐったりするのは、そのためです。
少し楽になる工夫
① 全部に、同じ笑顔を使わない
業務上必要な場面と、そうでない場面を分ける。
お客様への対応は丁寧に。でも、同僚との雑談まで全力で明るくする必要はありません。使う場所を絞ると、消耗がぐっと減ります。
雑談が苦手な時の考え方は、別の記事にも書きました。
② 帰り道は、無表情でいい
家に帰るまで「いい人の顔」を続けなくて大丈夫です。
電車の中、歩いている時、顔の力を抜く。 意識して口元をゆるめるだけで、疲れの残り方が変わります。
③ 顔に力が入っていないか、時々確認する
気づかないうちに、眉間や奥歯に力が入っていることがあります。休憩中に一度、顔をほぐす。 これだけでも違います。
体調に出はじめた時のことは、こちらの記事にまとめました。
「愛想がいい人」ほど、消耗します
これは、正直に書いておきたいところです。
感じよく振る舞える人ほど、それを期待されます。
クレーム対応を回される。機嫌の悪い人の相手をさせられる。できるから任されるという構造です。
でも、それは評価されにくいんです。うまくやるほど、何も起きていないように見えるので。見えにくい頑張りほど評価されにくい話は、別の記事に書きました。
向いていないのではありません
「こんなに疲れるなんて、自分はこの仕事に向いていないのかも」
そう思う必要はありません。この種類の仕事は、誰がやっても消耗します。 感じ方に差があるだけです。
ただ、何年も続けて、休んでも回復しなくなってきたなら、それは働き方を見直すサインかもしれません。人と接する量が少ない仕事も、世の中にはたくさんあります。
転職という選択肢について正直にまとめた記事も、よければどうぞ。
最後に
笑顔を作るのは、優しさであり、技術であり、そして労働です。
疲れるのは当たり前。だから、使う場所を選んで、帰り道は力を抜いてください。
人にも、自分にも、ちょうどいい距離で。自分の表情にも、無理のない距離で。

