久しぶりに実家に帰ったら、親が小さく見えた。
歩くのが少し遅くなっていた。同じ話を何度もしていた。冷蔵庫の中身が、前と違っていた。
気づいてしまうと、胸の奥がざわつきます。この記事では、その気持ちについて書きます。
⚠️ 先にお断りしておくと、私は介護の専門家ではありません。制度や手続きの詳しいことは、お住まいの地域の窓口で確認してください。 ここでは、気持ちの話を中心に書きます。
認めたくない気持ちは、自然です
まず、これを伝えたいです。
親が年をとるのを受け入れるのは、簡単ではありません。
自分にとって親は、ずっと「守ってくれる側」だった人です。その人が弱っていくのを見るのは、自分の足元が少し崩れるような感覚があります。
だから、見なかったことにしたくなる。「まだ大丈夫」と思いたくなる。それは冷たいのではなく、動揺しているだけです。
今すぐ、何かを決めなくていい
気づいた瞬間に、いろいろ考えてしまいますよね。
同居したほうがいいのか。仕事はどうなるのか。お金は。兄弟は。
でも、今日、決めなければいけないことは、たぶんひとつもありません。
まだ元気なうちに大きく動くと、親にとっても負担になります。今の段階で必要なのは、決めることではなく、知っておくことです。
知っておくと、後がずいぶん違うこと
急がなくていいので、少しずつで構いません。
- 親の希望(どこで、どう暮らしたいか)
- かかりつけの病院と、飲んでいる薬
- お金や保険の置き場所(金額まで聞かなくていいので、場所だけ)
- 相談できる窓口がどこにあるか
特に最後のひとつ。各市区町村には、高齢者の相談窓口(地域包括支援センターなど)があります。 何か起きてからではなく、元気なうちに一度場所を知っておくだけで、いざという時の動きがまったく違います。
「まだ元気だから」と言われたら
親に切り出すと、たいてい嫌がられます。
年をとったと言われるのは、誰でも嫌だからです。だから、正面から「将来どうするの」と聞くと、話が終わってしまいます。
切り出すなら、こんな形が通りやすいです。
「私が心配性だから、聞かせてほしいだけ」
「何かあった時に、私が困らないように教えておいて」
主語を自分にする。 親を心配する言い方より、ずっと受け入れられやすくなります。
距離が近いほど、難しくなります
親子は、遠慮がない分、感情がぶつかります。
心配して言ったことが、責める言い方になってしまう。相手の一言に、子どもの頃の感情が出てくる。
近い関係ほど距離がむずかしいという話は、別の記事にも書きました。実家に帰るのがしんどい時のことも、こちらにまとめています。
一人で抱えないでください
そして、これが最後にいちばん言いたいことです。
この話は、友達にも話しにくいものです。深刻すぎて相談しづらいし、同じ立場の人が周りにいないこともあります。
でも、抱え込むと確実に消耗します。兄弟がいるなら早めに共有する。いないなら、公的な窓口や、利害関係のない第三者に話す。 話すだけでも、頭の中が整理されます。
オンラインカウンセリングについて正直にまとめた記事も、よければどうぞ。
最後に
親の老いに気づくのは、つらいことです。でも、気づけたのは、あなたがちゃんと見ているからです。
今できるのは、全部を背負うことではなく、知っておくこと。それだけで十分です。
人にも、自分にも、ちょうどいい距離で。親とも、無理のない距離で。

