道を譲ってもらって「すみません」。質問する前に「すみません」。お茶を出してもらって「すみません」。
気づけば、一日に何回も謝っている。自分が悪いことをしたわけでもないのに。
私も、つい口から出てしまうタイプです。この記事では、「すみません」が口癖になっている時の考え方について書きます。
「すみません」は、悪い言葉ではありません
まず、これを伝えたいです。
日本語の「すみません」は、謝罪だけの言葉ではありません。 呼びかけにも、お礼にも、クッションにもなる、とても便利な言葉です。
だから、使うこと自体を責める必要はありません。相手に気を配れる人ほど、自然と出てくる言葉でもあります。
それでも、しんどくなる時がある
ただ、使いすぎると、少しずつ自分に返ってきます。
自分を、いつも下に置くことになる。 謝るたびに、「私が悪い」「私が迷惑をかけている」という前提を、自分で積み重ねてしまいます。
相手にも、そう見えることがある。 何かあるたびに謝っていると、「この人に言えば引いてくれる」と受け取る人も、残念ながらいます。
本当に謝りたい時の言葉が、軽くなる。 普段から謝っていると、大事な場面での「すみません」が伝わりにくくなります。
なぜ、つい謝ってしまうのか
口癖になるのには、たいてい理由があります。
- 波風を立てたくない
- 先に謝っておけば、責められずに済む
- 相手に手間をかけさせることが、申し訳ない
- 嫌われたくない
どれも、自分を守るため、相手を気遣うために身についたものです。弱さではありません。
これまでの環境で、そうするのが一番安全だったのだと思います。
嫌われたくない気持ちが強い時のことは、別の記事にも書きました。
「ありがとう」に言い換えてみる
いちばん効果があるのは、これです。
謝る代わりに、お礼を言う。
| いつもの言葉 | 言い換え |
|---|---|
| 手伝ってもらって「すみません」 | 「ありがとうございます、助かります」 |
| 待たせて「すみません」 | 「お待たせしました」 |
| 質問の前に「すみません」 | 「ひとつ確認させてください」 |
| 道を譲られて「すみません」 | 「ありがとうございます」 |
言っている内容は、ほとんど同じです。でも、受け取る側の印象も、言った自分の気持ちも、ずいぶん変わります。
「すみません」は自分を下げる言葉。「ありがとう」は相手を上げる言葉。同じ気遣いでも、自分を削らずに済むんです。
感謝の言葉で上手に受け流す方法は、こちらの記事にも書いています。
全部やめなくていい
とはいえ、長年の口癖は、すぐには変わりません。
だから、全部を言い換えようとしなくて大丈夫です。
一日に一回だけ、「すみません」を「ありがとう」にしてみる。それくらいで十分です。気づいたら、また言ってしまっている。それでもいいんです。
謝ってしまった自分を、また責めないこと。 「あ、また言っちゃった」と気づけただけで、もう変わり始めています。
謝りすぎる根っこには
もし、「すみません」の奥に「自分には価値がない」「迷惑な存在だ」という感覚があるなら、それは言葉の癖だけの問題ではないかもしれません。
自分を認められない時のことは、別の記事にまとめています。
そして、その感覚が長く続いてしんどい時は、利害関係のない第三者に話してみるのもひとつです。謝らなくていい場所で話すだけで、少し肩の力が抜けることがあります。 オンラインカウンセリングについて正直にまとめた記事も、よければどうぞ。
最後に
「すみません」が口癖なのは、あなたが周りに気を配ってきた証拠です。
でも、あなたは謝るような存在ではありません。
少しずつ、「ありがとう」を増やしてみてください。それは、相手にも、自分にも、やさしい言葉です。
人にも、自分にも、ちょうどいい距離で。言葉とも、ちょうどいい距離で。

