また一人、辞めていく。
送別の挨拶を聞きながら、「おめでとう」と言いながら、心のどこかで、置いていかれたような気持ちになる。
そして、その人がやっていた仕事が、こちらに回ってくる。人は減るのに、業務は減らない。
そんな職場にいませんか。私も、人の出入りが激しい現場で働いてきました。この記事では、その時の気持ちについて書きます。
見送るのは、地味にこたえます
辞める人を見送るのは、思っている以上に消耗します。
うらやましい。 決断できた人が、自分より前に進んで見える。
不安になる。 「この職場、大丈夫なんだろうか」と。
自分を責める。 「私は決められないままだ」と。
そして、それを誰にも言えない。 送別の場で「うらやましい」とは言いづらいし、残る人同士でも話しにくい話題です。
この、行き場のない気持ちが、じわじわ溜まっていきます。
「自分だけ残っている」感覚
長くいると、こういう瞬間があります。
気づいたら、自分がいちばん古株になっている。
入った頃に教えてくれた人はもういない。同期もいない。新しく入った人に、今度は自分が教える側になっている。
でも、それを望んだわけではないんですよね。ただ、辞めなかっただけで。
「残った」のではなく「取り残された」そう感じるのは、自然なことだと思います。
現実的な話:業務は増えます
きれいごとは抜きにします。人が減れば、残った人の負担は増えます。
引き継ぎを受け、自分の仕事もこなし、新人にも教える。「辞めなかった人」に、しわ寄せが集まる構造です。
そして厄介なのは、真面目な人ほど、それを引き受けてしまうこと。断れないまま、気づけばキャパシティを超えている。
もし今、そうなっているなら。それはあなたの能力の問題ではなく、人員配置の問題です。
人が辞め続ける職場は、職場側に理由があります
ここは、はっきり書いておきます。
一人二人ならともかく、次々に辞めていく職場には、必ず理由があります。
- 労働条件が見合っていない
- 人を育てる仕組みがない
- 上に立つ人に問題がある
- そもそも人員が足りていない
辞めた人たちが弱かったのではありません。 そして、残っているあなたが、我慢強すぎるのかもしれません。
仕事を教えてもらえない職場のことは、別の記事にも書きました。
それでも、焦って辞めなくていい
とはいえ、「みんな辞めてるから自分も」と勢いで動くのは、おすすめしません。
周りに合わせて辞めるのは、周りに合わせて残るのと同じです。どちらも、自分で決めていない。
大事なのは、あなた自身がどうしたいかです。
- 今の仕事内容は、嫌いではない
- 人は減ったけれど、まだやれている
- 生活の見通しが立っていない
そういう理由で残るなら、それは立派な選択です。取り残されたのではなく、選んでいるんです。
ただし、「情報だけ」は持っておいてください
そのうえで、ひとつだけ提案があります。
辞める気がなくても、外の情報だけは見ておいてください。
- 今の自分に、どんな求人があるのか
- 給与の相場はどのくらいか
- 未経験でも動ける業種はあるか
知っているだけで、気持ちがまったく違います。
「ここしかない」と思って残るのと、「他にもあるけど、今はここでいい」と思って残るのでは、同じ職場でも見え方が変わります。
私自身、何度か職場を変えてきましたが、後悔したことはありません。その理由については、別の記事に正直に書きました。転職という選択肢についてまとめた記事も、よければどうぞ。
最後に
同僚が辞めていくのを見るのは、寂しいものです。そして、しんどいものです。
でも、残っているあなたが、劣っているわけではありません。
あなたには、あなたの事情と、あなたのタイミングがあります。それを、他人の退職日に合わせる必要はありません。
ただ、扉がどこにあるかだけは、知っておいてください。それだけで、ずいぶん息がしやすくなります。
人にも、自分にも、ちょうどいい距離で。職場とも、ちょうどいい距離で。

